成長志向型の資源自律経済とは?

経済産業省が2020 年5月に策定した 「循環経済ビジョン 2020」では、これまでの廃棄物・環境対策としての3R(Reduce、Reuse、Recycle) ではなく、「環境と成長の好循環」に繋げる新たなビジネスチャンスと捉え、我が国企業がこれまでの3R の取組の中で培ってきた強みをグローバル市場で発揮し、中長期的な産業競争力強化に繋げることが、我が国の循環経済政策の目指すべき基本的な方向性として提示されました。

そして2023年3月、世界情勢による物資や資源の供給リスクを抑制して、経済の自律化・強靭化と国際競争力の獲得につなげる「成長志向型の資源自律経済戦略」が策定されました。

背景にある問題意識

資源制約・リスク
Resources Risk

世界のマテリアル需要増大:
多くのマテリアルが将来は枯渇の懸念
(特に、金、銀、銅、鉛、錫などは、2050年までの累積需要が埋蔵量を2倍超)
供給が一部の国に集中しているマテリアルあり:
資源国の政策による供給途絶リスク
(ニッケル、マンガン、コバ ルト、クロムなど集中度が特に高いマテリアルあり)
日本は多くの資源を輸入に頼る「資源小国」:
日本の資源の購買力の低下に伴う調達リスク増大の懸念

世界の資源採掘量

2015年

2050年

環境制約・リスク
Environmental Risk

廃棄物処理の困難性増大:
国際的な廃棄物の越境移動制限の厳格化(バーゼル条約)、その一方で日本国内では最終処分場に制約
カーボンニュートラル実現への対応の必要性:
原材料産業によるCO2排出の削減が不可欠

世界の廃棄物量

2020年

2050年

成長機会
Growth Opportunity

サーキュラーエコノミー市場の大幅な拡大の可能性:
静脈産業は大成長産業になる見込み、サーキュラーエコノミー市場への成長資金の流入
資源自律経済への対応が遅れると多大な経済損失の可能性:
マテリアル輸入の増大と資源価格高騰による国富流出、
サーキュラーエコノミー性を担保しない製品の市場排除の懸念

サーキュラーエコノミー関連市場規模:世界全体

2030年

2050年

成長するサーキュラーエコノミー
関連市場

世界全体で2030年4.5兆ドル、2050年25兆ドル、日本国内では2030年80兆円、2050年120兆円と、国内外で今後大幅に拡大が見込まれるサーキュラーエコノミー関連市場。各国がそれぞれの手法で市場獲得を目指す中、日本も「成長志向型の資源自律経済戦略」の実現に向けたアクションを開始しています。今後10年で、動静脈連携の加速に向けた制度枠組みの見直しや構造改革を前提としたグリーントランスフォーメーション(GX)投資支援などで市場創出することを目指しています。

EU

規制措置による循環経済圏の
構築を目指す

  • 規制に合致しない製品の排除
  • 循環資源の域内囲い込み
  • 域内基準・ルールの世界標準化

米国

先進企業による競争を通じた
デファクト化

  • 調達⽅針に合致しない部素材排除
  • 循環資源の域内囲い込み
  • ファイナンス上のデファクト化

日本

今後10年間で約2兆円の投資を実施
政策措置の「3つのギア」でサーキュラーエコノミーの市場化を加速

  • 規制・ルール:
    動静脈連携の加速に向けた制度枠組みの見直し
  • 政策支援:
    今後10年間で約2兆円~の投資を実施
  • 産官学連携:
    日本版CE実現に必要となる施策について検討

成長志向型の資源自律経済の確立のトランスミッション:3つのギア

RRCロゴ

※「成長志向型の資源自律経済戦略参考資料」(経済産業省産業技術環境局 令和5年3月)を基に当協議会作成